top of page
  • 平井 将秀

VarianとGoogleが提携し、がん治療を効率化するAIモデルを構築

Google Cloudでは医療における人工知能の利用を拡大するため、医療業界との関係構築に力を注いでいます。





今回、Google Cloudに加わったのは、放射線治療や放射線手術用のハードウェアからケアマネジメント、分析用のソフトウェアまで、がん治療に貢献する様々な技術を開発しているVarian Medical Systems社です。





同社はGoogle Cloud AI PlatformのNeural Architecture Search技術を用いて画像データを入力し、診断画像上で臓器のセグメンテーションを自動的に実行できるモデルを作成します。





臓器のセグメンテーションは、輪郭形成とも呼ばれ、がんの治療計画を立てる上で最も重要な段階です。従来の方法では、臨床医が何時間もかけてスキャン画像を解析し、放射線治療の対象となる臓器や組織を特定した上で、その結果をもとに、放射線治療の正確な照射量や、どこに照射すべきかを計算してました。





このプロセスをAIで自動化すれば、治療期間を短縮できるだけでなく、正確な臓器分割を行うための専門知識やリソースが不足している地域でも、特定の治療を受けられるようになる可能性があります。





今回の提携は、個別化された高品質のがん治療を広く利用できるようにするというVarian Medical Systems社のプロジェクトを推進するものです。





今回の提携は、シーメンス・ヘルティニアスによる買収が完了した中で行われました。昨年8月に公開された取引条件では、シーメンスは164億ドルでバリアンを買収しましたが、バリアンは社名を維持し、シーメンス傘下の独立した企業として運営を続けています。








より早く、より正確ながん治療を求めるうえで、AIはますます有力なソリューションになりつつあります。今週、FDAは、放射線治療前の脳腫瘍のセグメンテーションのための最初のAIデバイスを承認したばかりです。脳転移、髄膜腫、音響神経腫の自動輪郭形成と、追加の病変の検出は、AIの利用によりわずか数分で完了します。





Neuro-Oncology誌に掲載された臨床研究によると、VBrainを使用した臨床医は、手動で輪郭処理を行った臨床医に比べて、約12%高い感度で脳スキャン上の病変を検出することができました。また、このAIを使用することで、放射線治療の治療計画にかかる時間が30%以上短縮されました。

bottom of page