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  • 平井 将秀

Envarsusの新薬承認申請をFDAが受理:腎移植患者の拒絶反応を防ぐ1日1回投与のタクロリムス


Veloxis Pharmaceuticalsは3月13日、成人の腎移植患者における臓器拒絶反応(organ rejection)を防ぐための薬剤『Envarsus』の新薬承認申請(NDA)がFDAにより受理されたと発表しました。EnvarsusはVeloxis社独自のMELTDOSE技術に基づいた1日1回投与のタクロリムス(tacrolimus)です。

重要ポイントは以下の通り:

FDAは「処方せん薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act)」に基づいて2014年10月3日の標的審査データを設定

2013年12月30日に新薬承認申請書をFDAに提出

新薬承認申請は2件のフェーズⅢ臨床試験『3001』と『3002』に基づくものであり、これらの試験では一年経過時の治療失敗を複合エンドポイントにした結果、1日2回投与のtacrolimus (Prograf)を対照としたEnvarsusの非劣性(non-inferiority)が明らかとなった

臨床プログラムは25件の試験から成り、被験者数は1000人以上

Envarsusは1日1回投与のタクロリムス製剤であり、スムーズな薬物動態プロファイルを示し、1日2回投与のタクロリムスよりも低用量で血中レベルをより長く持続させる

Envarsusは同種腎移植(allogeneic kidney transplants)を受けた患者における臓器拒絶反応の予防薬としてFDAからオーファン・ドラッグ指定を受けた

Envarsus(旧名:LCP-Tacro)とタクロリムスについて

タクロリムスは臓器移植後における同種移植の拒絶反応(transplant allograft rejection)を防ぐために用いられる主な免疫抑制剤です。Envarsusはタクロリムス錠剤の1日1回投与バージョンとして開発中の治験薬であり、承認済みのタクロリムス製剤と比べて生物学的利用(bioavailability)や薬物動態などが優れています。移植患者は拒絶反応を防ぐために最低限のタクロリムス血中レベルを維持する必要がありますが、血中レベルが過剰になると腎毒性(nephrotoxicity)や震え、糖尿病、高血圧、日和見感染(opportunistic infections)などの深刻な副作用リスクが高まることがあります。そのため、タクロリムスの血中レベルを注意深く管理するために、移植患者がモニタリングと投与量の調節のために診察を頻繁に受ける必要があります。


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