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  • 平井 将秀

ピルフェニドン(突発性肺繊維症)のNDA再提出


InterMune社は5月27日、2010年5月に受理したComplete Response Letter (CRL)への対応として、ピルフェニドンpirfenidoneのNDAを再提出したと発表しました。ピルフェニドンは突発性肺繊維症 idiopathic pulmonary fibrosis (IPF)の成人患者を治療するために開発されている薬です。

「ピルフェニドンのNDAを提出できて安心しています。再提出を達成させるための最後のステップは円滑かつ効率的に行うことができ、予定よりも早くプロセスを完了させることができました。FDAが6ヶ月以内に承認を認めれてくれれば、2015年上半期までにはピルフェニドンを発売できると思います」と、InterMuneの社長でドイツ人のDan Welchは述べています。処方薬ユーザーフィー法の下で、FDAはNDA受理後74日間のうちに提出内容の評価を行います。この期間のうちにFDAが提出内容の妥当性を認めれば、FDAにより受理された再提出の日付が審査会開始日となります。

ピルフェニドンについて

ピルフェニドンは TGF-βの合成を阻害する経口の抗繊維化剤(anti-fibrotic agent)です。TGF-βは化学伝達物質であり、細胞の増殖や分化などのさまざまな機能を制御し、繊維形成で重要な役割を果たします。さらにピルフェニドンは、炎症で重要な役割を果たすことで知られるサイトカイン『TNF-α』の合成も阻害します。

2011年2月28日、European Commission (EC)は中等度から重度のIPFに対する治療薬としてEsbriet® (pirfenidone) の販売権を認めました。これにより、EU28ヵ国でEsbrietが承認されました。また、ノルウェーやアイスランドでの承認も続き、2011年にはInterMuneがドイツでピルフェニドンをEsbrietの商品名で発売しました。現在、Esbrietはフランスやイタリア、イギリスなどの重要な市場で入手することができます。

ピルフェニドンは2008年より日本、2012年より韓国で販売されています。さまざまな商品名をもつ同薬は中国、インド、メキシコなどでIPFに対する医薬品として活躍しています。

米国での販売は認められていません。


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