半官半民(semi-official)のイラン報道機関『Fars』は、CNNがChristiane Amanpourによるイラン大統領Hassan Rouhaniへのインタビューを誤訳したと主張しています。 その後、Wall Street Journalのご意見部門が割り込んでFarsを支持しました。 「Rouhani氏のコメントを独自に翻訳した結果、CNNに非があることがわかりました」とFars所属のジャーナリストは指摘しています。 ホロコーストを容認するのかどうかというAmanpour氏の質問に対して、Rouhani氏が返答した内容の翻訳が問題となっています。CNNはその後、インタビュー全体の記録内容( comprehensive transcript)を公開しました。 「私は自分が歴史学者でないと以前から言っているでしょう。ホロコーストの特徴については歴史学者が判断することです。もちろん、歴史上で発生した人類に対する犯罪、つまりユダヤ人に対するナチの犯罪行為などは、絶対に許されないことです。ユダヤ人に対するいかなる犯罪も、我々は非難します。人の命を奪うことは卑劣な行為です。ユダヤ人の命やキリスト教徒またはイスラム教徒であるかどうかは全く関係ありません。我々にとっては全ての命が尊いのです。我々の宗教では人の命を奪うことを拒絶していますが、例えば、ナチに迫害されたグループが別のグループの土地を強奪して占領するということを許容しているわけではありません。このような行為は非難されなければなりません。公平に話し合うことが重要です。」 Farsはこの部分の翻訳が完全に誤っているとし、Rouhani大統領の実際の返答内容と全く違うと主張しています。 Wall Street Journalは、実際には「ホロコースト」ではなく「歴史的事件」と述べていたと結論付けました。 Erik Wemple Blog が昨日指摘したように、Farsの主張に対してCNNは上品な弁明で対応しました。 そして今ではWall Street Journal が口を挟んでいるため、CNNはかなりご立腹のようです。
平井 将秀