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バレット食道には高周波アブレーションが効果的

  • 平井 将秀
  • 2016年4月5日
  • 読了時間: 2分

高周波アブレーション(Radiofrequency ablation :RFA)はバレット食道(dysplastic Barrett's esophagus)を呈する患者の91%で寛解をもたらすことがわかりました。これを示す論文は、アメリカ消火器病学会(American Gastroenterological Association)公認の医療ジャーナル『Clinical Gastroenterology and Hepatology』に掲載されています。バレット食道は、食道に前がん細胞(precancerous cell)が発生する病気のなかで最も重篤なものです。 ノースカロライナ医科大学の食道疾患研究センターに所属するNicholas J. Shaheenは次のように述べています。 「高周波アブレーションを行う上では、患者と医療提供者側がその治療法のリスクと利益について十分な意見交換をする必要があります。今回の試験では複数の小規模試験結果を組み合わせて研究における重要なギャップを埋めました。そして、高周波アブレーションは多くのバレット食道症患者にとって安全かつ有効な治療であるという、信頼性の高いデータを得ることができました。」 腸上皮化生( intestinal metaplasia:食道に腸様細胞が発生する状態の初期段階)を呈するバレット食道患者にみられる特徴を特定するため、研究者はPubMedとEMBASEで発表された評判の良い試験結果を系統的に審査およびメタ解析しました。その結果、形成異常が高い確率で完全に消失するだけでなく、腸上皮化生も患者の75%で根治することがわかりました。 また、形成異常がなくなった後でも患者の13%で腸上皮化生が再発することもわかりました。この試験データは十分なものではありませんが、治療完了後の管理プログラムで患者を追跡することの重要性を示しています。食道の狭窄や疼痛、出血などの副作用を呈した患者は全体の5%以下でした。 高周波アブレーションについて バレット食道の低浸襲手術であり、食道の内壁に高周波を照射して熱傷( thermal injury)をもたらします。形成異常の細胞や前がん細胞を破壊して、正常な組織を再生させます。 


 
 
 

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