Anacor Pharmaceuticalsが爪甲真菌症(onychomycosis)の局所療法(topical treatment)に用いる薬剤候補『tavaborole:タバボロール』の新薬申請(NDA)をFDAに提出しました。爪真菌症は爪と爪床部の真菌感染症であり、米国では約3500万人が感染しています。
NDAの提出はAnacorにとって重要な節目となるでしょう。Anacorは11年前にホウ素化学技術を基盤に設立されました。tavaboroleは同社が自社開発した初の薬剤です。そのことから、開発段階で研究員が相当苦労したことと、同薬剤に対するAnacorの意気込みが想像できます。
創面切除を行わずにtavaboroleで爪真菌症を治療した2件の第Ⅲ相試験では、統計的に有意な結果と、臨床的に意義のある結果を得ています。ちなみに、爪真菌症に対してすでに認可されている局所的治療は、創面切除を伴うものです。
Anacor Pharmaceuticalsについて
Anacorは、自前のホウ素化学技術を用いて新しい低分子療法を発見、開発および商業化することに重点を置いたバイオ製薬会社です。同社では今のところ8つの化合物を発見および開発しています。主な製品候補は、爪真菌症に対する局所投与の抗真菌薬tavaboroleと、アトピー性皮膚炎および乾癬(psoriasis)の治療に用いる局所性抗炎症薬『PDE-4阻害剤』の2つの皮膚用薬剤です。
大勢の人が水虫に悩んでいることから、tavaboroleは認可されれば爆発的に売れる可能性があります。ホウ素を得意とするバイオ企業Anacor、今後の動向が見逃せません。